2017Jul

先月末、某製薬会社のTVCMの音楽制作を行ってきました。

 

今回は制作過程における最終作業であるミックスダウンについて

 とりわけEQ処理について書きます。

 

出来上がった全ての音を1つにまとめる作業をミックスダウンといいます。究極的に言えばこの作業は各音のEQ処理とバランス

をとって聴きやすい形に仕上げることだと思ってます。

 

実際にはコンプレッサーやリバーブなどいくつものエフェクトを

かけますが、基本はEQ=イコライザーの処理です。

 

人間の耳は1kヘルツあたりが一番聞きやすく、また楽器の方も

1k当たりが気持ちよく響く場合が多いです。

よって幾つかの楽器が鳴ると、どうしても、このあたりの帯域に

音像が集中してしまいます。これは電子音であれば更にその傾向が強まります。

 

生楽器だとこの辺のすみ分けが自然にされているのでアレンジ次第ではEQ処理が不要になります。

 

しかし0.1秒の尺調整が必要なCM音楽ではやはりコンピュターによる制作を強いられる場合がほとんどです。

 

今回の音楽でも当然コンピューターが用いられ、エンジニアの方が様々な音をEQ処理して仕上げていただきました。

 

EQ処理とは欲しい音域を持ち上げ、不要な音域を下げる作業です。各音源がぶつからないように調整していき、最後にはそれらが組み合わさった時に完璧なジグソーパズルが出来上がります。

 

完全なEQ処理されたミックス音源はどんな環境で聴いても、ほぼ同じようなイメージで聞えてくるから不思議です。