2016 Apr,

今月は最近のモニター環境の変化について考えてみます。

家庭のオーディオシステムで音楽を聴くという状況がCDラジカセも含め急激に減ってきています。

そもそも「音」というのは空気の振動だから、ある一定のスペースの中でスピーカーのコーン紙を揺らして、鼓膜に届けるということが必要です。しかし逆にこのことは、聴く環境によって音の質が大きく変わってしまう性質も持ってます。

ところが最近はほとんどの人がスマホやタブレット端末から直接イヤフォンで聴くというのが主流になってます。これは先に書いた状況とは異なり、音の振動を外部の影響をほとんど受けず直接鼓膜に伝えることができます。

イヤフォンやヘッドフォンで聴くのは、音の正確さという点においてはとても優れていると思います。

ただ我々が普段生活の中でさまざまな情報を耳で受け止めているのとはあまりにも違うので、長時間のイヤフォンでの試聴は耳にかなりのダメージがくると思われます。

生活スタイルの変化に伴い、これからもイヤフォンでの音楽を聴くスタイルがますます一般的になると思われます。

われわれ制作側は最後のMix作業でスピーカーを使いかなりのこだわりを持って微調整をして作品を仕上げてますが、これも変化していかなければいけないと強く思ってます。スピーカーでは聞こえている音が、渡した先方では聞こえなかったり、違ったバランスで聞こえている状況をまのあたりにしているからです。